
店がまだ元気なうちに、次の10年を考える。
観光地で長く続いてきた飲食店には、その店にしかないものがあります。
長年つくり続けてきた料理。
受け継がれてきた技術。
屋号や暖簾。
地域で積み重ねてきた信用。
家族のお祝いや旅の思い出として利用されてきた時間。
こうしたものは、売上や利益だけでは測ることができません。
一方で、店を取り巻く環境は変わり続けています。
観光客の数や過ごし方。
インバウンドの増加。
宿泊施設や観光施設。
交通や人の流れ。
地域人口。
そして、お客様が飲食店を探し、選ぶ方法。
長く続いてきた店だからこそ、
これまでと同じことを続けていれば、これからも続いていく。
とは限りません。
だからといって、長く続いてきたものを何でも変えればいいとも思いません。
何を残すのか。
何をこれからも大切にするのか。
そして、時代に合わせて何を変えるのか。
店がまだ元気で、選択肢があるうちに、一度きちんと考えておく。
そのために行うのが、私が考える「観光地飲食店の事業性分析」です。
あら探しではなく、良いところを探す。
私が事業性分析でまず見たいのは、店の悪いところではありません。
もちろん、売上や利益、商品構成、営業状態などを調べれば、改善すべきことも見えてきます。
でも、それ以上に知りたいのは、
この店の良いところはどこなのか。
まだ活かしきれていないものはないか。
ということです。
現場に入ると、
「こんなに良いところがあるのに、もっと伸ばせるのではないか。」
と思うことがあります。
昔から変わらない良い料理がある。
長く支持されてきた商品がある。
家族の集まりや記念日など、明確な利用目的がある。
地域のお客様から信用されている。
店そのものに歴史がある。
また、店の外へ目を向けると、
「こんなに恵まれた環境なら、もっと活かせるのではないか。」
と思うこともあります。
目の前を多くの観光客が歩いている。
周辺の宿泊客が増えている。
インバウンドが増えている。
新しい観光施設ができた。
人の流れが変わってきた。
ところが、店が持っている良さと、店の外で起きている変化が、うまくつながっていない。
そんなケースがあります。
すでに持っている価値と、まだ活かしきれていない可能性。
私は、そこを見ることが事業性分析の大切な役割だと考えています。
小さな改善だけでは、変わらないこともある。
売上が落ちたから、SNSを始める。
客数が減ったから、新しいメニューをつくる。
利益が減ったから、原価を見直す。
一つひとつは必要な取り組みかもしれません。
しかし、それを繰り返しても状況が大きく変わらないのであれば、問題はもう少し上流にある可能性があります。
誰に来てほしい店なのか。
何を食べに来てもらう店なのか。
どんなときに選ばれる店なのか。
この観光地の中で、どんな役割を担う店なのか。
必要なのは、一つの販促策を追加することではなく、店のコンセプトそのものをもう一度考えることかもしれません。
私は、対症療法のように改善策を積み重ねるだけではなく、必要であれば、そこまで戻って考えることも大切だと思っています。
変えることを、最初から目的にはしない。
コンセプトを見直す。
ターゲットとなるお客様を変える。
場合によっては、業態そのものを変える。
長く続いてきた店ほど、こうした判断には勇気が必要です。
特に事業承継後であれば、
「先代が続けてきたものを変えていいのだろうか」
「昔からのお客様が離れてしまわないだろうか」
「この店らしさがなくなってしまわないだろうか」
と迷うのは当然だと思います。
だから、事業性分析では最初から「変えましょう」とは考えません。
まず、今ある価値を見る。
その価値に、どんな可能性があるのかを考える。
そのうえで、これから何を選ぶのかを考える。
その結果、
今のコンセプトのまま、商品を少し変えるだけ
という結論になるかもしれません。
今ある強みを別のお客様へ届けるために、ターゲットを見直す
という選択になるかもしれません。
あるいは、
コンセプトを再構築する。
業態そのものを変える。
という大きな選択になることもあるかもしれません。
大切なのは、変える大きさではありません。
今ある価値と、これからの可能性を踏まえて選ぶこと。
だと考えています。
VALUE → POTENTIAL → CHOICE


VALUE|今ある価値
良いところ探しは、ここから始まります。
その店がこれまで何によって選ばれてきたのか。
何を大切にしてきたのか。
お客様は何を評価しているのか。
そして、これからも残していきたいものは何なのか。
まず、その店がすでに持っている価値を見つけます。
POTENTIAL|これからの可能性
価値が分かったら、次は「もっと活かせないか」を考えます。
観光需要の変化。
新しい顧客。
新しい利用目的。
まだ届いていないお客様。
まだ活かされていない商品や立地。
今ある価値と、これからの変化を重ねて可能性を探ります。
CHOICE|これからの選択
可能性が見えたら、そこで初めて「何を変えるのか」を考えます。
商品を変えるのか。
ターゲットを変えるのか。
営業時間を変えるのか。
新しい事業を始めるのか。
コンセプトを再構築するのか。
業態そのものを変えるのか。
あるいは、今のまま大切に続けるものは何なのか。
その選択肢を整理していきます。
店の中だけを見ても、店の外だけを見ても分からない。
観光地の飲食店は、店の努力だけで売上が決まるわけではありません。
観光客数、宿泊需要、インバウンド、交通、人の流れ、観光施設、地域そのものの変化。
店の外で起きていることが、経営に大きな影響を与えます。
一方で、観光客が増えているからといって、すべての店の売上が伸びるわけでもありません。
だから、
店の中を見る。
店の外を見る。
そして、その二つを重ねて考える。
それが、観光地飲食店の事業性を考えるうえで欠かせないと考えています。
その店の良いところと可能性を、次の10年へ。
事業性分析は、店の悪いところを見つけて直すためだけの分析ではありません。
その店の良いところを見つける。
まだ活かされていない可能性を見つける。
そして、
その価値と可能性を、これからの経営にどう活かすのかを考える。
そのための分析です。
時代が変われば、変えなければならないものもあります。
でも、変えてはいけないもの、大切に残していきたいものもあります。
その両方をきちんと見たうえで、
あなたのお店の次の10年を考える。
それが、私がこの事業性分析でやりたいことです。
具体的な調査内容、報告書、料金、進め方については「ご相談」ページで詳しくご案内しています。